2008-05-17

憲法記念日

今日5月17日はノルウェー憲法記念日(ナショナルホリデー)である。ノルウェーの人々にとって特別な日で、その主たる行事として各地でパレードが行われる。日本とノルウェーの憲法記念日の違いのひとつは、こちらの記念日が子供たち中心に行われる点である。子供たちは各学校ごとに分かれ、母校の旗とブラスバンドを先頭に行進を行う。人々は民族衣装ブーナッド(Bunad)を身にまとい、ノルウェーの国旗を降りながら行進を沿道から見守る。オスロの場合はカールヨハン通り沿いで盛大に行われる。数週間前からこの日はパレードを見に行くように、間違っても研究所にこもったりしないようにとアドバイスを受けていたので、朝から宿舎の友人たちと一緒にダウンタウンに出かけた。

ここ数日気温がぐっと下がり、まるで冬に戻ったかのようである。数週間前が暖かかっただけに余計に寒く感じる。今朝起きると5月の半ばだというのになんと雪が降っていた!せっかくの記念日だというのに生憎である。朝食を友人たちと一緒に取り、午前9時過ぎに地下鉄に乗ってNationaltheatretで降りた。ちょうどオスロ大学の前辺りに出てパレードがくるのを今か今かと待っていた。雪は雨に代わったが相変わらず降り続けている。沿道には早くも人の壁が出来ていて、中々前の方に出る事が出来ない。パレードを見る楽しみの一つは、人々の民族衣装ブーナッドである。この民族衣装が実に色とりどりで華やかだ。衣装は人々の出身地域ごとに異なる為に実に様々である。同地域の出身の人は同じ衣装を着る。ノルウェー人のLineが以前言っていたが、慣れた人なら衣装を見るだけでどの地域の出身かがわかるらしい。

しばらく待っているとバイオリンの音が聞こえてきた。見ると馬車を先頭にダンスの集団がやってくる。その後に50人ほどの兵隊による行進があり、一糸乱れぬ統率の取れた動きをしていた。続いていよいよ子供たちによるパレードが始まった。各学校の旗は様々で、記号と学校名だけのシンプルなものから色とりどりの刺繍を施した美しいものまであった。ブラスバンドの衣装も鮮やかで学校ごとに独自のものだった。雨と寒さを凌ぐ為に上からビニールやコートを来ていたグループもあったが、もし天気が良かったなら青空の下さぞかし衣装も映えたに違いない。沿道の人々はノルウェーの国旗を振って、口々に「ピ・ピ・ピ。フラ!フラ!...」と囃し立てて場を盛り上げとても賑やかだ。パレードは何十校にも及び、いつ終わるとも知れず通りのはるか向こうまで延々と続く。写真を取ったり、ブラスバンドの演奏を聞いたりしながら一時間程パレードを見学したが、さすがに体が冷えてきてだんだん辛くなってきた。朝来る前にネットで調べたオスロの気温は1℃だった。片手で傘を持ちもう片方の手でカメラを持っていたが、手も悴んで来てうまくシャッターがきれない。一緒に来た友人達も次々に帰宅し、残ったのは私とチン・ホァだけとなった。彼女も寒さを堪えて、ビデオカメラでパレードの様子を撮影していた。パレードを十分楽しみ、写真も多く取ったと感じたので、最後に民族衣装を来た方と一緒に記念撮影をしてから昼前に帰宅した。

0 件のコメント: