2008-08-31

Akershus Fortress

お客さんを迎えた一日。Grenoble在住のK君が北欧旅行の途中にオスロに寄って私を訪ねてくれたので、K君と奥さん、それに友人に市内をご案内した。天気は曇り時々雨。昨日までが素晴らしい快晴だっただけに、一日違いでオスロの青空をお見せできなかったのが残念である。

朝10時にNationaltheatret前で待ち合わせた。会ってすぐに奥さんに「オスロ日記、いつも見てます」と言って頂いた(^^)。意外な読者がいたりするのも、ブログの楽しみのひとつ?皆さんにビーゲラン公園(Frognerparken)、Akershus城、国立美術館(National Gallery)の順にご案内した。これぞ観光地というところはだいたいお見せできたので、満足して頂けた事を願っている。写真はAkershus城の入り口付近で撮影したもの。城の外には切り立った崖があり、上に立つとオスロフィヨルドを一望出来る。境界部分には手すりも何も無いので、一歩間違えば真っ逆さまに下に転がり落ちることに...。高い所が苦手な私には、崖の数メートル手前から覗くのが精一杯だった(>_<)。我々と近い場所でお母さんから写真を撮ってもらっている少年がいた。ちょっと照れくさそうに終始ニコニコしていて、なんとも可愛らしかった。普段外食をしないものだから、昼食の場所の選択に迷ったが、結局いつものKaffistovaにお連れした。ノルウェー料理と言えばサーモン。この一皿で約160NOK(約3200円)もするが、カフェだからレストランに入るよりは割と安めである。味の方は脂がしっかりとのっていて満足の一品だった。夕方皆さんとお別れして、宿舎に戻った。

2008-08-30

Hovedøya

快晴の土曜日。一週間分の洗濯物を洗い終えほっと一息ついていると、Andreaからメールが入ってきた。「天気が良いのでHovedøyaに散策に行かないか?」とのお誘い。Hovedøyaはオスロフィヨルド内の小さな島である。前から行ってみたかったので、もちろんオーケーの返事をした。


大きな地図で見る

12時半に地下鉄Nationaltheatletの前で待ち合わせ、海沿いの道を歩いて行くと、港に豪華客船が停泊していた。Andreaから聞いたところによると、年配の夫婦など経済的に余裕のあるものは船の一室を購入し、自分たちで所有することもあるらしい。なんともスケールの大きな話だ。Hovedøyaに行くにはVippetangenという波止場からボートに乗る。乗船時間は5分(92番)もしくは20分(93番)。我々の乗ったボートは93番だったので、他の島経由でぐるぐる大回りしたが、その分だけ船の旅を満喫した(^^)。2階部分のデッキに座ったが、空気もカラッとしていて頬に当たる潮風が心地良かった。時間帯も昼過ぎだったので、海上にはセーリングボートやクルーザー等の多くの船が出ていた。船上でランチを楽しむ人もいて、実に優雅である。

島に到着し、船着場からオスロ市街を眺めた。写真からもわかるように市街地からそれ程遠くない。島には緑があふれ、様々な植物が育っていた。牧場もあり、羊が放牧されていた。電流を流した囲い(必要あるのか?)を除けば、のどかな風景である。Hovedøyaは海水浴場があることで有名である。夏の間はオスロ市民にとって人気の海水浴スポットだ。夏も終わり水も冷たくなったが、それでもまだ海水浴客の姿が見られた。島には遺跡が存在する。12世紀に立てられた建築物(教会)で現在は壁の部分しか残っていないが、説明によると当時は多くの修道僧が教会に在籍し、この島で生活しながら修行していたそうだ。島の滞在時間は約4時間程だったが、島内を散策したり、岩の上に座って数学の話をしたり、はたまたサッカーをしたりとなかなか盛りだくさんの内容であった。夕方に島を出て、AkerBryggeの近くのピザ屋で夕食を取った後、宿舎に戻った。運動もしたし、自然とも触れ合うことができたのでなかなか良い休日だった。

2008-08-28

秋の植物(ノルウェー)

運動で体を適度に疲れさせたら不眠も解消できるだろう。今日は大学まで歩いてみた。片道40分くらいだけど、道端にいろんな植物が育っているので、見ていて楽しい(^^)。カメラ片手に撮影しながら歩いた。私はもともと植物には詳しく無いので珍しい植物に見えて、実は日本にもあるかもしれない。もし「これ知っているよ」って人がいたら教えて下さい。

その1。小さいトマトみたいな実がたくさんついていた。けど先の方からなんかウネウネしたものが出ている(笑)。紫色のきれいな花がついていた。その2。その3。あざみ?その4。セイタカアワダチソウ?その5。その6。あさがお?その7。その8。その9。その10。その11。その12。おまけ。一昨日の夕方撮ったナメクジの写真。体長13cm程度でやたらデカかった。日本のナメクジより色黒。

uim-anthy導入(解決編)

大学のRed Hat Enterprise Linux 5 (RHEL5) のX上で日本語入力が出来ない件だが、先月無事解決したので、やり方を一応メモしておく。anthyを入れるのは簡単なので省略。uimのソースを取ってきて適当な所に展開し、configureスクリプトを走らせる。

$ mkdir ~/src
$ cd ~/src
$ tar xvzf uim-1.5.1.tar.gz
$ cd uim-1.5.1
$ ./configure --prefix=$HOME

すると

checking for anthy/anthy.h... no

anthyを入れたはずなのにanthy.hが無いよと言われてしまう。Webでちょっと調べ、次の環境変数を指定した後にもう一度configureスクリプトを走らせた。

$export LIBS=-L<anthy-installed-directory>/lib
$export INCLUDES=-I
<anthy-installed-directory>/include
$export CPPFLAGS=-I
<anthy-installed-directory>/include

今度は無事にanthyを認識したみたい(^^)。あとはいつも通りにお決まりの呪文を唱えるだけ。

$make
$make install

これでuim-ximのインストールが無事終了。ホームの下の.xsessionに以下を付け加える。

--------------ここから-----------------
if type uim-xim &> /dev/null ;then
uim-xim &
fi
GTK_IM_MODULE=uim ; export GTK_IM_MODULE
QT_IM_MODULE=uim ; export QT_IM_MODULE
XMODIFIERS=@im=uim ; export XMODIFIERS
UIM_IM_ENGINE=anthy ; export UIM_IM_ENGINE
--------------ここまで-----------------

そのあとにログインし直し、uim-ximがちゃん起動することを確認した。uimの設定全般はuim-pref-gtkで行えば簡単。

$uim-pref-gtk

で起動し、標準の入力方式としてAnthyを選択する。日本語←→直接入力の切り替えは良くある「Shift+Space」でもいいし、

$uim-toolbar-gtk

または

$uim-im-switcher-gtk

などのGUIでも切り替えが出来る。Gnomeを使っている場合は、

$uim-toolbar-gtk-systray

を使うとシステムトレイにuim-toolbar-gtkが収まってコンパクトで便利。

このようにWebブラウザーなどのアプリケーション上で日本語の入力が可能になる筈であった。しかし......

anthyが選択できないorz!

どうして???????(涙)。入力方式の選択時にanthyは候補に出てくるものの、選択しても再び直接入力に戻ってしまう。はてさて...

anthyのインストールに失敗したのか?--> 否! (emacs上ではちゃんと動いている。)
uimのインストールの仕方が悪い?--> 否! (何度もインストールして確認済。)

悩んだ挙句放置。


---------この間数ヶ月--------


ずっと放置していたが、先月何気なくロケールの設定をいじっていたら、判明した。

$locale
LANG="ja_JP.eucJP"
LC_CTYPE=no_NO             <-----------コイツの所為
LC_NUMERIC="ja_JP.eucJP"
LC_TIME="ja_JP.eucJP"
LC_COLLATE="ja_JP.eucJP"
LC_MONETARY="ja_JP.eucJP"
LC_MESSAGES="ja_JP.eucJP"
LC_PAPER="ja_JP.eucJP"
LC_NAME="ja_JP.eucJP"
LC_ADDRESS="ja_JP.eucJP"
LC_TELEPHONE="ja_JP.eucJP"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.eucJP"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.eucJP"
LC_ALL=ja_JP.eucJP

普段は

$export LANG=ja_JP.eucJP

でLANGを"ja_JP.eucJP"に設定して使っている。しかしこれだけでは足らない。他の変数は全て"ja_JP.eucJP"に変わるが、LC_CTYPEだけは変わらないのである。この事が分かったので、早速ホームの下の.xsessionに次を追加する。

-------------ここから--------------------
export LANG=ja_JP.eucJP
export LC_ALL=ja_JP.eucJP
export LC_CTYPE=ja_JP.eucJP
-------------ここまで------------------

とりあえず無事に日本語入力ができるようになった(^o^)。記念にスクショを貼っておく。

2008-08-27

睡眠障害?

新学期がスタートし、月曜は今学期初めてのセミナーがあった。今週から3週連続でL先生の講演がある。セミナーは毎週月曜の12:30からだが、セミナーの参加者が12:00に集まって一緒にランチを取るのが習慣である(Algebralunchという名前)。今期から新しく入って来た学生さんもいるので、みんなで自己紹介の時間があった。端から順に自己紹介がされていくが、ノルウェー語のわからない私にはチンプンカンプン。自分の番が近くなるともうドキドキもの。ノルウェー語で辛うじて知っている「私の名前は...」ってのを言っただけで、なんと拍手が返ってきた(笑)。

頭の上のタンコブは治ったけど、目眩は相変わらず続いている。体内の睡眠のリズムが狂ってしまっているようだ。早く寝ても遅く寝てもきっちり6時間以内に目が覚める。一度起きてしまうとそれ以上は一切寝れない。夕方4時とか変な時間になると眠くなるが、この頃はこちらの学生さんとオフィスをシェアしており、彼がソファを使って仕事をしているので仮眠を取るのがなかなか難しい。どっかで睡眠不足をリセットしたいのだが、これがなかなかうまくいかないので困っている。今日の夕方もオフィスでウトウトしていると、Christianが訪ねてきた。彼はホストのR先生の学生さん。先日(つい一週間前のこと)修論のプロジェクトがスタートしたと聞いたばかりだったのに、なんかもうTeXで打ったものを持っている!彼は良くできるので、もう結果が出たのかと一瞬驚いたけど違った。有理曲面上の消滅定理について聞かれたので、彼の欲しい場合に簡単な証明をつけて教えてあげたら思いの外喜んでくれた(^^)。

2008-08-24

秋晴れの日曜日

昨日は早めに床に着いたおかげで、少し休めた。だが相変わらず頭がふらついている。今日のオスロは気持ちの良い秋晴れの一日となった。午前中は洗濯をしたりして昼過ぎまでゴロゴロしていたが、せっかくの天気なので昼食を取る目的も兼ねて外出した。一週間に一回くらいは、学外でご飯を食べるくらいの贅沢はあってもいいだろう。宿舎から大学まではいつも地下鉄(T-bane)を利用している。今日は散歩目的で宿舎のあるKringsjaから大学のあるForskningparkenまで歩いてみた。地下鉄だと10分の距離だから歩けないことはないだろうと歩き始めたら、天気が良かったおかげで、気持ちの良い散歩になった。宿舎は小高い丘の上にあるので、大学まではなだらかな坂を下りていく。途中道端に生えている黄色い花や小さいトマトのような実を蓄えている植物を観察しながら、のんびりと下りていったら40分くらいで大学の最寄り駅に到着した。今後ももし天気がよければ地下鉄を使わずに散歩がてら歩いて大学まで通っても良いかもしれない。定期があるから帰りは地下鉄に乗れば良い。体調の悪いときにあまり無理をするのもなんなので、ForskningparkenからMajorstuenまで(2駅分)は地下鉄に乗った。先週の日曜と同じ中国料理店に入りランチ(75NOK,約1500円)を注文した。その後、大学のあるBlindernまで戻ってちょっとお仕事。

最近になって判明したのだが、休日の研究所の玄関の出入りに必要なIDカードがなんと図書室のドアにも有効であった。つまり数学科の図書室が24時間使い放題ってこと!長い夏季休業期間中にこの事実を知らなくて、だいぶ損をした。誰も教えてくれないものだから、この前友人と一緒に図書室に出かけて始めてわかった。もっと最初の頃に知っておけば、図書室を有意義に使えたのに...残念。今日もカードを使って誰もいない休日の図書室に入り、一人静かな時間を過ごした。本や雑誌に囲まれているとなんか落ち着くのはもはや職業病の域?(笑)。古い本独特の匂いが、自分は好きである。秋独特の柔らかい日差しと心地よい風を感じながら、のんびりと本を読む。

9時ごろに帰宅するとMillicentが心配して待っていた。今朝頭がふらつくと話したので、気にしてくれていたようだ。何度も部屋を訪ねてくれたみたい。「あれほど今日は休むようにと言ったのに...」と膨れっ面をして、まるで母親のようだった。

2008-08-23

めまい

今朝目が覚めたら頭に小さなこぶが出来ていた。朝シャワーを浴びていて気がついた。頭を打った覚えは全くない。寝ている間に誰か入ってきて、頭を一発殴って出て行ったのだろうか(笑)。もしかするとノルウェーの妖精トロルの仕業かもしれない。トロルはこんなヤツ(↓)。
こちらでは超有名(人?)で土産物屋の店先を見ると必ずコイツがいる。紛らわしい事にバイキングの帽子をかぶっているもんだから、来た当初はバイキングのマスコットかと誤解し、ノルウェー人にその話をしたら笑われた(^_^)。まあ冗談はさておき、本当に記憶が無いので不思議だ。おそらく寝ている間に動き回って隣の机の角っこに頭をぶつけたのだろう(笑)。頭をぶつけたのとは全く関係ないが、今週に入ってから時々めまいがする。人から呼ばれて振り向いたり、不意に立ち上がったときなどに良くある。最近あまり睡眠が取れていないせいかもしれない。京都で学位論文の審査会前くらいに一度めまいを経験した事があった。あの頃も相当忙しくて睡眠をあまり取っていなかったら、めまいを感じるようになった。学内の保険診療所に行ったら、別の病気の方が発覚し、めまいどころの話じゃなくなり、その後バタバタと毎日を送り気がついたら直っていた。今回はその時のめまいより程度がひどい。このところ仕事を根詰めてやりすぎたせいかも。やっぱり最低でも睡眠は6時間は取らないとダメだ。1週間くらいならまだ気力や集中力も続くけど、長くなると結局こんな風に体への支障をきたすから帰ってマイナスだ。分かってはいるのだけど、ついつい同じ事を繰り替えしてしまう。愚かだ。

ちょっと気分転換も必要だと思って夕方久しぶりにソグンズバンを訪れる。天気も良くて歩いていても良い気持ちだ。夏の暑い時期に比べると人もだいぶ減った。湖のまわりに育っている植物も秋の植物へと移り変わった。家から出て湖の周りを一周して帰ってくるとちょうど一時間くらいで良い運動になる。睡眠不足は仕事で気が張っているせいもあるだろうけど、運動不足のせいも多分にある。これからは少し歩いて気分をリラックスさせる時間を意識的に作ってみよう。

2008-08-20

感慨無量

気がついたら論文がオンライン上で公開されていた。個人的に思い入れの深い仕事が初投稿から長い年月を経て、ようやくひとつの形となり、私の手元から巣立って行った。まさに感慨無量である(^_^)。(実際の紙面上での)出版まではもうしばらく時間がかかりそうだが、まずは一段落。

2008-08-17

Frognerbadet(その2)

あっと言う間にノルウェーの夏が終わってしまった。空を見上げても薄い雲が棚引いていて、いかにも秋空である。今思うとノルウェーの夏は短かった。市民プールFrognerbadetを利用できるのも今日が最終日。明日からは長い休業期間に入る。朝起きたときは曇っていて、ちょっと寒かったがせっかくなので無理をしてプールに出かけた。午前11時過ぎに友人とプールの前で待ち合わせ、ほぼ時間通りに到着。ちょうどその頃から天気も良くなってきた。この分ならなんとか泳げそうである。早速水着に着替え、100メートルを何本か泳ぐとプールがやたら混雑してきた。特に小学生くらいの男の子達がプールの横からこちらに向かって次々に飛び込んでくるので、落ち着いて泳げない。天気が回復して来たせいで人が集まり出したのだろう。2時間くらい泳いだり休んだりしていたが、次第に休む方が多くなりそれと同時に体も冷えてきた。お腹も空いたので適当に切り上げ、暑いシャワーを浴びてじっくり体を温めた後、Majorstuen駅すぐの「China Town」という中国料理屋で昼ご飯を食べ帰宅した。

2008-08-16

Kringsjåの人々

すっかりブログの更新をサボっていた。特に忙しかった訳でも無く、特記する事が何も無かったのが原因かもしれない。4ヶ月が経過しすっかりノルウェーの生活に馴染んだ気がする。来た当初の様なドキドキ感は薄れてきたけど、毎日毎日が楽しくてあっという間に過ぎて行く。大学や宿舎での友人達との付き合いが増えてきたおかげだろう。食事に誘ったり誘われたりする機会が増え、食堂でポツンと一人でご飯を食べる機会が減ってきた。毎日が充実して居るように感じる一方で、残り少ない滞在期間で如何に研究を進めるか?という焦燥感も感じている。

私が現在住んでいるKringsjå宿舎の廊下は、今とても賑やかだ。そろそろこちらの新学期が始まるので、8つある部屋の全てが入居者で埋まった。部屋のいくつかは夫婦や家族、それに複数の学生が借りて暮らしているので、廊下全体だとかなりの人数になる。今の入居者の構成はこんな感じ。
  1. ノルウェー人の男子学生
  2. オランダ人の男子学生
  3. オランダ人の女子学生
  4. エチオピア人家族(キッチンとバス・トイレは他の部屋と別)
  5. カメルーン人家族4人(うち一人は赤ちゃん)
  6. カメルーン人男子学生2人
  7. ガーナ人夫婦(MillicentとBernard)
1,3,4,6が最近新しく入って来た人々。この建物は単身者が借りて住む決まりになっているが、それほど厳密には守られていない。ノルウェーでの高い家賃を安くあげる為、もしくはそもそも宿舎に家族用物件が不足している為に、複数の学生が単身用の部屋を一緒に借りて住む事は良くある。ただしバス・トイレは2部屋に1つしかない。ペアを組む部屋によっては多少の不便が生じる。私がペアを組むのは#1のノルウェー人。彼はマナーも良く静かな人なので大変助かっている。私は相手が2人ならまだ我慢できるけど、4人の場合はさすがにつらいな。スゴいのが#6と#7がペアになっていること(笑)。キッチンに関しては#5以外の7部屋が共同で使う。時間帯によっては混雑するので、順番待ちをしたり、時間をずらしたりという工夫も必要だ。最初は待ち時間がストレスだったが、他の入居者と親しくなるに連れだんだん気にならなくなってきた(^^)。順番を待っている間も会話していると案外すぐだし、一緒にご飯を作ったり、互いにご馳走したりの機会も増えた。この前も仕事でくたくたになって夜遅く帰宅すると、Millicentがチキンのローストを私の為に取っておいてくれた。今朝は土曜で時間の余裕があったから、私が彼女と旦那、それに来客二人分のサラダを作ってこの前のお返しをした。っとまあこんな具合だ。Millicentにはすっかり気に入られ、最近は何故か(?)My Sonと呼ばれるようになった(笑)。実際は私の方が7つも年長だけど年はまったく関係無い。

2008-08-11

数学図書室

昼前に文献を探しに数学科図書室に寄った。夏休みでしばらく閉室していたが、先月末から再び利用出来るようになった。まだ新学期が始まっていないので短縮営業中だが、開室しただけでも十分有難い。図書室は数学科の建物の2階にある。入り口の横にカウンターがあり、その前を通り過ぎたあたりに海外からの新着プレプリントが展示されている。不思議な事にRIMSや北大からのものが多い。両大学から出るプレプリントの全てが展示されている訳でもないので、もしかすると研究者同士の交流によるものか?プレプリントを送ってもらうときに1部を手元に、もう1部を図書室に配布するのかも...。

それらプレプリントを横目にしながら、"いつもの"書棚に向かった。実はここの図書の並びは変わっている。どこの図書室もだいたい著者名でアルファベット順に並べるのが普通だと思うが、ここでは分野別に並んでいる。数論、可換代数、多変数解析、基礎論...などのようにまず分野で大別され、その後に著者名もしくは本のタイトルによりアルファベット順に並んでいる。こちらに来た当初は慣れなくて戸惑ったが、慣れてみると同じ分野の本が一ヶ所にまとまっているのもなかなか便利だ(^^)。何より歩き回らずに済むので、私の様なぐうたらな人間向きである(笑)。今日も私の分野の書棚に直行した。

しばらく目的の本を探したが見つからない。以前ここの図書で見た覚えがあるから、きっと誰か借りているのだろう。大体借りた人にも見当がつくし、その人を直接訪ねて本をちょっと見せてもらえば済むことだ。そう思ってカウンターに向かった。

私:「あの〜すいません。読みたい本が貸出中ですが、借りた人を教えてもらえませんか?」
司書さん:「それはできません。次に借りる為の予約を入れることはできます。」
私:「借りた人は自分の知っている人だと思うので、ちょっと見せてもらえば済む事なんです。」
司書さん:「とにかく本のタイトルを教えてください。こちらで調べてみます。図書カードを出してください。」
私(カードを出しながら):「Springerの○○シリーズで、タイトルは△△です」。

司書さんは検索用端末に私が言ったタイトルを打ち込んでいたが...

司書さん:「え?この本はあなたが借りていますよ!」
私:「え!?.....」

途端に悪い予感がしてくる私。まさか...。そう言えばこちらに来てすぐの頃に一度借りたっけ?

私:「そういえば、以前借りた記憶もあるので一度研究室の本棚を探してみます。」
司書さん:「その前にこちらに無いことを確認しましょうか。」

二人で先ほどの本棚に向かうが、この頃になると自分が借りているのをもう完全に思い出していた。彼女が一冊ずつ近辺の本を手に取って確認している間中、恥ずかしさの余り体をくねくねさせてのたうち回る私(笑)。しばらくして...

私:「すいません。自分が借りているのを思い出しました。」
司書さん:「そうですね。もし手元に無かったら連絡してください。」

研究室に戻って本棚を確認すると、他の本と一緒にちゃっかり並んでおりましたとさ。チャン♪チャン♪。それにしても恥ずかしすぎる(*>_<*)。既に痴呆が始まったのか?私....orz。

2008-08-09

Carrotcake and Pancakes

今週のオスロは天気に恵まれず曇りや雨の日ばかりだった。寒いので部屋で暖房をつけ、衣類もしまってあった春物を引っ張り出して着ている。そろそろ太陽が恋しくなってきた。昨日から北京オリンピックが始まったようだが、日本は盛り上がっているのだろうか?こちらノルウェーは位置的に遠いためか、イマイチ盛り上がりに欠けている。地元選手が活躍するような事があれば、応援にも熱が入るけど、冬季じゃないからそれもあまり期待出来そうに無い。

一日中宿舎にいるのも気がつまるので、午後から街に出かけた。といっても買い物や観光する訳でも無く、いつものカフェKaffistovaにこもってお仕事。人参のケーキ(Gulrotkake)とコーヒーを注文して、69NOK(約1380円)だった。うーむ高い(-_-;)。でもケーキが美味しかったので個人的には満足(^o^)。5時頃に雨が降る中大学のあるBlindernまで戻り、研究室で論文の直しをしてから11時頃に帰宅した。久しぶりに暗くなるまで大学に居たので、なんとなく仕事をした気分である。(普段はまだ明るいうちに帰宅することが多い。)夕飯はまだだったが、体もくたくた時間も遅いので蕎麦でも茹でて軽く済まそうと考えていた。キッチンを覗くと、パンケーキと一緒にMillicentからのメッセージが...。「パンケーキを作ったので食べてください。もう遅いので寝ます。おやすみなさい....」彼女の温かい心遣いに思わず涙腺がゆるむ(;_;)。自分はこの廊下に越してきて本当に良かった。また明日彼女に会ったら、良くお礼を言わないといけない。レンジで温めてアイスをのっけて食べたらこれがまた特別美味しかった(^^)。

2008-08-08

まさかね...

昨日の通学途中T-bane(地下鉄)の車内でのこと。前の座席に置いてあった新聞の文字に目が止まった。
まさか、あの関西の名物がついにノルウェー上陸か!?

なんて一瞬目を疑ったけど、そんなわけ無い(笑)。 考えるまでも無くøkonomi (Norwegian) = economy (English)という超がつくほどの恥ずかしい間違いでした(*>_<*)。

2008-08-05

Frognerbadet

夕方から友人と市内のプールに出かけた。天気は薄曇りで肌寒く絶好の水泳日和という訳では無いけど、明日から天気が崩れるそうなので今のうちに行っておこうということに...。プールはヴィーゲランの彫刻で有名な公園Frognerparkenの一角に位置し、FrognerBadetと言う名前である。ノルウェー語で風呂(bath)は"bad"なのでなんだか公衆浴場みたいな名前だが、レッキとしたプール。(ちなみに海水浴場は"badeplass"と言う。)入場料は大人の場合で73NOK(約1460円)必要。その他にコインロッカーの使用料として10NOKコインが必要だが、使用後に戻ってくる仕組みだ。プールは大人用・子供用・ジャンプ用の3つから成り、すべてが屋外にある。大人用プールの長さは約50メートル、深さは深い所で2.2メートルもあり、(普通の人なら)まったく足がつかない。ジャンプ用プールには高さが1,3,5,7,10メートルの5種類の飛び込み台がついていて、地元の子供たちが高さをものともせずに元気に飛び込んでいた。

天気が良くないので体が冷えるのを心配して行ったが、温水だった為に助かった。しかしそれほど暖かくはなく、絶えず泳いで体を動かしていないとすぐに寒くなってしまう程度だ。水泳は久しぶりだったので最初は変な感覚を覚えたが、次第に水に慣れていった。体を動かしたおかげだろう、いつもよりも夕飯を美味く感じた。

2008-08-04

アイルランド

先週の暑さがまるで嘘みたいに涼しい。オスロの夏は天気が一旦悪くなるとぐっと気温が下がるから要注意だ。今日など気温は10℃から20℃の間で、外に出たら涼しいを通り越して寒いくらい...。夕方から友達と一緒に映画館に出かけた。映画館で映画を見るのは久しぶり。しかも外国で映画館に入ったのは始めてかもしれない。作品の内容はドラマもしくはミュージックフィルムといったところ?舞台はアイルランドの街ダブリン。主人公の男女が奏でる美しいハーモニーがなんとも心地良い。良い音楽をたくさん聞いて心に栄養を与えてもらった。音楽以外でもアイルランドの街並や海岸などが随所に登場し、人々の暮らしの様子もさりげなく描かれていて、そういうのを見ているだけでも楽しかった(^_^)。通りに沿って並ぶレンガ造りの家々はヨーロッパらしい街並。アイルランド、機会があればいつか行ってみたい国である。

ノルウェーの映画館で映画を見る場合、吹き替えではなく字幕が普通。今日は英語の音声でノルウェー語の字幕付き。私は字幕を読んでもわからないから、音声に集中して聞いていたけど、それでもやっぱり聞き取れるのは半分程度。客席で笑いが起こるけど、私は「???」って感じで取り残されることもしばしばあった(ToT)。それでも見終わってみれば満足感がいっぱい。やはり作品の中での音楽の役割が大きかったからだろう。あと主人公の1人であるマルケタ・イルグロヴァの笑顔に心惹かれた。

2008-08-01

日食

8月1日の今日、ノルウェーでは日食が観察できた。オスロから観察できるのはせいぜい部分食どまりだが,もっと北の方では皆既日食も観察できたらしい。

午前中にAndreaからメールが入り、ビーゲラン公園(Frognerparken)に日食を見に行かないかと誘われた。公園内に巨大スクリーンが設けられ、日食の様子が中継されると言うし、面白そうなので行ってみることにした。家を出たのが遅く、公園に到着したのはお昼ちょっと前だった。公園内はとても広い。会場への道を歩いている途中で日食がピークを迎えたようで、カウントダウンが聞こえてきた。到着してまず驚いたのが会場内の人の多さ(*_*)。人口の少ないノルウェーでこんなに多くの人を見たのは初めてだ(笑)。Andreaは既に会場に到着し、この中のどこかにいるはずだが、探すのは容易でない(^^)。もらったメールを頼りにしばらく会場内をうろうろした挙句、ようやく発見することができた。早速サングラスを借りて太陽を見ると日食が肉眼でも観察できた。一気にテンションが上がる。上はオスロから日食をサングラス越しにカメラに収めたもの。撮影時にはピークを過ぎていたが、ピーク時でもせいぜい3割程度の欠け具合だったらしい。特設巨大スクリーン上では、ノルウェー各地から届いた天体望遠鏡による日食映像が映し出され、中には皆既日食やダイヤモンドリングもあった。前回ノルウェーで皆既日食が観察されたのは1954年であり、54年も昔である。会場にはステージが設けられ、モヒカンで頭を赤く染めた個性的なおじさんが司会をしていた。ノルウェーの教育番組に良く出演するタレントさんらしい。他にも専門家による解説やバンドの演奏などが行われ、会場も盛り上がった。私はノルウェー語がわからないので、公園で日向ぼっこを楽しんだようなものだけど(笑)、まあそれも良しかな。イベント終了後は近くのインド料理屋に入って遅めの昼食を取った。Tikka Masalaを注文したが、これがなかなか良かった。Majorstuen駅の近くだったので、いつもの日本食材店(JapanTorget)にも寄り、米やそばなどの食材を買い足した。珍しいことにラムネを売っていたので、2本買って1本Andreaに勧めてみた。思った通り中のビー玉に興味深々の様子(笑)。日本人にはすっかりお馴染みの瓶だが、西洋人にはやっぱり珍しいだろう。私は小さい頃近所の悪ガキと一緒になって、ビー玉を取る為に団地の酒屋さんでラムネの空瓶を割りまくった。酒屋さんにバレてこっぴどく怒られたと話すと、ちょうど彼女もその時どうやって取ろうかと考えていたらしい。ビー玉の役目について聞かれたので、できる限り説明したがうまく伝わっただろうか?結局彼女は空き瓶を持ち帰った。

2009年7月22日には日本でも皆既日食が観察できるらしい。西に行くほど完全な日食が観察できるそうなので、もし1年後に覚えておられたら是非お楽しみあれ。まずは当日晴れることを期待しましょう(^^)。